2020年2月8日開催「芸能人はカードが命!21」にて
新刊「枠の外へ/幕の外へ」と共に発行されたコピー本
「さあ、長谷川まつりの話をしよう。」vol.2に掲載した実話コラム
「彼女の気持ちが知りたくて。~長谷川まつりに倣って髪を伸ばしたオタクの話~」
を、髪を切る前々夜となりましたので公開いたします。
上記の画像は新刊「枠の外へ/幕の外へ」表紙全体です。
カッコいいでしょ?私が撮りました。
突然ですが、貴方はご自身の好きな人物を模したことはありますか?
憧れへの模倣は姿かたちをなぞるものからその人物の好きな食べ物を意図的に口にするなど、多岐に渡るでしょう。
私は2017年から約3年、長谷川まつりの気持ちが知りたくて現在進行形で髪を伸ばしています。
元々はショートカットが好きなのと、服部ユウちゃんが好きなので金髪にはしませんでしたが、彼女を真似た髪型にしておりました。
似合っていたかどうかは別の話ですが。
2017年7月、当時参加した芸カ直前に美容院に行けない程めちゃくちゃ忙しく、とても軽率な気持ちで
「ここはひとつ、長谷川まつりの気持ちを知るために髪を伸ばしてみよう。」
と、思い付いたのを記憶しています。
そこから4ヶ月後にはすっかり元の髪型の影も無くなり、
当時参加したとある展示会で、来場してくださった面識のある人に恐る恐る
「村八さんですよね?」と聞かれるのはちょっと面白かったです。
話が逸れましたが、意図的に髪を伸ばし分かったことが3つあります。
・動物の毛は暖かい
・手入れのコスト
・アイドルってすごい
ひとつずつ書いていきます。
・動物の毛は暖かい
ある程度の大人だから分かるでしょう、と言われそうですが、洋服の素材に無頓着な人間なので知ったのはここ5年以内の話です。
たまたま買った良い感じの古着がウールだかアンゴラだかが入っていて、薄手なのに暖かいなぁ、と、そこで初めて洋服の素材表示に目を向けたというだらしないきっかけで知りました。
髪の毛もそれと同じで、髪を下ろしていると首の周りにめちゃくちゃ熱が篭ります。夏は地獄だったのでポニーテールやみつあみなどでやり過ごしました。
逆に、冬は髪を下ろせばある程度までならマフラーいらずでした。むしろマフラーに長髪を巻き込んで最寄り駅まで歩いている最中に何度マフラーの存在を煩わしく思ったことか。
私は、長谷川まつりが卒業と共に髪を切るという妄想にずっと憑りつかれているオタクなので2020年3月9日(卒業式)以降に自身の妄想に倣い自分の髪を切ろうと思っているのですが、
職場でその話を妄想部分を伏せて話したところ、上司に「暖かくなるから切るの?」と言われ、
ヘラヘラしつつええ、はいと答えざるを得ませんでした。
ちなみにこの上司に髪を伸ばしている理由を尋ねられて咄嗟に
「可愛いと思ったから」と答え爆笑されております。
彼女が髪を切る時はどんな髪型にするのかという妄想を、そろそろヘアカタログを見つつ考えたいですね、私が頭髪難民になる前に。
・手入れのコスト
これは金銭面、時間面、メンタル面と大きな負担がかかりました。
まず、金銭面ですが、染髪の際、ある時期を境にロング料金がかかるようになりました。
それまでショート、ミディアムは同じ料金だったので「ああ、これが…」と財布を開きました。
また、染髪を繰り返したのと、長谷川まつりのゆるっとしたウェーブを目指してコテで髪を日々巻くと毛先が見る見るうちにパサつき、ついには枝毛が目に入るようになってしまいました。
きっと今までもそうだったと思うのですが、なまじっか髪が伸びた分それが視界に入るようになりどうしても気になります。
髪の手入れのために椿油や流さないトリートメント等は今までもある程度使っていたのですが、髪が長い分使用量も格段に変わりました。
次に時間面ですが、毛量が今までの倍以上な分、ドライヤーを充てる時間が髪の長さに比例しました。
そして、櫛で雑に梳かすと必ずどこかしらで引っかかるため、時間をかけて丁寧にというのが必須でした。
時間がある時は全く気にならないのですが、造形作業や文章をこねくり回している時などでタイムリミットを気にしながら生きている時、髪の毛をどうこうする時間が惜しく最小限で済ました結果、髪が傷み悲しいことになることが多々ありました。
最後に、メンタル面ですが、私の場合主に時間の面がメンタルと直結しています。
時間がかけられない→髪が傷む→長谷川まつりさんに申し訳ない→心がしぼむという心理状態に陥ることが何度かありました。
何もない休日にうんと時間をかけて手入れが出来た時の達成感は凄まじい自己肯定力が漲りますが、
その分、多忙の中で我に返る瞬間「ストイックに日々を生きられない自分が悪い」の一言に尽きてしまい、自己嫌悪と、それに抗う時間が取れない情けなさで涙をこぼしたこともあります。
本当に情けない話ですが、何度髪を切ってしまおうと思ったことか。
それでもそうしなかったのは、彼女と似た状況にどうしても近付きたかったという思いからでした。
・アイドルってすごい
アイドルって、頭から足の指の先までアイドルなんです。
髪に限った話じゃなくなって申し訳ないのですが、見られる職業柄、スキンケア、ヘアケアだけでなく筋トレも欠かしません。
応援しているオタクの端くれとして「推しが頑張っているから私も頑張らねば」という心理状態になります。
私の場合アイドルだけではなく、応援しているアーティストさんすべてに言えることですが。チョロいオタクなので無限に頑張れます。
長谷川まつりさんが人前に出る時、「アイドルとしての自分」はもちろんなのですが「ユウちゃんの相方としての自分」と、「長谷川家の人間としての自分」というのを絶対背負っているはずなんですよ(妄想)。
そんな背負うものが多い彼女が、自分磨きを欠かすとは思えません。彼女は自分の為ではなく他人の為を思うことが出来るアイドルですから(妄想)。
もし何らかのきっかけで、彼女が髪の手入れに言及することがあったとします。それがたとえ後ろ向きなコメントでも、彼女の髪はいつでもつやつやしている事でしょう(妄想)。
愚痴は、それを経験しているからこそこぼれるものだと思っています。
むしろ、彼女からそういった言葉が人の目に触れる機会ってそうそう無いんじゃないかなと思い始めてきました。
5分番組「サンボルちゃん」の隠し撮り系ドッキリ企画(今思いついたので構想を練るうちに自己との解釈違いが起きたら消えるアイディアです)などがあれば可能性はあるかもしれませんね。
髪を伸ばした結果、おしゃれをする楽しさ等得られたものは沢山ありますが、
オタク的に1番の収穫は「長谷川まつりは就寝時に三つ編みをしているかもしれない」という知見です。
良い感じにゆるふわウェーブが寝ている間に生成され、簡易的に長谷川まつりのシルエットを得られました。やったぜ。
ロングヘア生活も残り1ヶ月。
残りの日々を、彼女だったらこういうヘアアレンジも似合うかも!と妄想しつつ過ごしたいと思います。
ここから追記です。
2020年3月8日現在。
自分の妄想していたスターライト学園高等部卒業式の翌日に美容院の予約を朝一で入れました。
彼女にとっての「髪を切る」という行為についてですが、自分の「アイドルとしてのアイコン」との決別なのではないかと思っております。
この話は次回記事「枠の外へ/幕の外へ あとがき」にて触れようかと思います。
取り急ぎとはなりますが、当日弊サークルにて新刊、コピー本を手に取ってくださった方々、ここまで読んでくださったすべての方に感謝いたします。
長谷川まつりを何卒宜しくお願い致します。
村八